京都・今宮神社のあぶり餅

2022年9月2日

京都に神社は数あれど

京都市内の北部エリア、金閣寺と上賀茂神社の中間あたりに位置する今宮神社。八坂神社や上・下鴨神社のように、すぐに名前の浮かぶような有名な神社ではありません。でもここに来ると、次々と人が訪れる姿を目の当たりにします。そう、ここには他では味わえない「あるモノ」があるのです。

その名は「あぶり餅」

今宮神社の東門、その門前の両側にはとても雰囲気の良い二軒の茶店があります。あたりには炭火で焼かれる香ばしい香り。それぞれの軒先には、「あぶり餅」「 一文字屋」「かざりや」等の文字が並んだのれんが掛かります。このあぶり餅を求めて多くの人がここにやってくるのでした。

あぶり餅の歴史=京都の歴史?

今宮神社のあぶり餅の歴史は古く、一説には長保2年(西暦1000年)に、いち和(一文字屋和輔)の初代が参拝者に餅を振る舞ったのが始まりとか。いやそれって平安時代ですよ? 1000年以上の歴史って。さすがは京都、なのでしょうが…すごいですね。
さて、今日はそのいち和さんでいただくことにしましょう。席に案内されるとすぐにお茶が運ばれてきて、一人前(600円)を注文。案内された座敷席から見える中庭や、表の参道を行き交う人々をぼんやり眺めながらお茶をすすります。いやー、風情がありますねぇ。

1000年の都の味を食す

ほどなくして運ばれてきました。細い竹串の先には小さめの黄味がかった餅。乳白色のタレがかかり、少し焦げて黒くなっている部分もあり、見た目にも食欲がそそられます。早速いただきましょう。ふむふむ、乳白色のタレは白味噌がベースのようです。ちょっと舐めてみると、甘くて優しい味わいですね。では一口…焦げた部分の香ばしさと甘い白味噌の香りが口の中に広がります。外はカリっとぱりっとしつつ、中は柔らかく…おいしい。止まらない。あっという間に食べきってしまいました…初めて食べる物なのに、とても懐かしさがあってホッとする味ですね。大変満足です。

車でもバスでもタクシーでも

二軒のあぶり餅屋の先には比較的大きなタイムパーキングがあり、そこに停車したことを伝えると駐車場の割引券がもらえます。神社に参拝してあぶり餅を食べる程度なら実質無料での利用も可能。そのため車での参拝者が多い印象ですが、バス利用で訪れることも可能なようです。中にはタクシーで来られる方も。一味違った京都観光として、少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。