新婚旅行はスリランカのリゾートで
今、大変な事になっているあのスリランカです。実は僕、20年以上も以前に訪れたことがあるのです。
それも新婚旅行というタイミングです。
ふつうはハワイとか、タイ、フィリピン、グアム、アメリカ本土、ヨーロッパですよね。
とにかく他人とは違うことがしたかったんです。リゾートライフへのあこがれもありました。若かったなぁ。
ということで今回は遠い日の昔話。これから“スリランカいってみようか”という人にはまったく参考になりません。
新婚夫婦となぞのスキンヘッド
ただなら飲まなきゃ損と機内サービスのスコッチでほぼ酩酊状態。酔眼朦朧(すいがんもうろう)で降り立ったコロンボ空港は、現地の人ばっかり。当時は日本人でスリランカへ、なんて人はほぼいません。
僕たちのほかに日本人はというと…スキンヘッドに、サングラスの強面風が一人だけ。しかも彼の出迎えは凶悪そうな現地ピープル。ひょっとしてこの国の悪の組織と日本のそれの交流なんじゃないの。イミグレではタバコを2箱要求されました。空港の警備はマシンガンらしきものを構えています。
この国やばいんじゃないの?酔いは急速に醒めていきます。とはいえ新婚早々、奥さんに情けない姿を披露するわけにはいきません。がんばります。
暗闇ドライブ3時間
おびえる子羊?を出迎えてくれたのはネイティブのガイドさん。日本への留学経験のあるエリートらしいです。コロンボからホテルのあるエリアまでは車で移動です。車は…たっぷりと年季の入った中古のカローラでした。フロントガラスには10年ほど前の車検ステッカーが貼られていました。
なぜかエアコンの吹出口からは白い煙?が。それはともかく、この車の運転手さんアクセル踏みっぱなしです。すれ違う車も負けじとハイスピード。思い起こすと当時の東南アジアって車に関してはどこの国もこんな感じでしたよね、おまけに道路は細いわ、陥没してるわの悪路。空にはコウモリの大群。そうこうしてる間に周囲はどんどん暗く。運転手さんとガイドさんは、意味ありげに笑いながらこちらを見たり。
最悪という名のカローラ(後部座席)
なんかこれ危険な展開では…。「いざとなったらやるしかないな」覚悟を決めました。結婚指輪を右の薬指に移し替え、ポケットに忍ばせたビクトリノックスも確認します。前に出てくる相手の膝をこう蹴って、怯んだところに右の直突きから、踏み込んで膝、肘の連携。さらにもうひとりの足元に転がり込んでナイフで。と都合の良いシミュレーション。とにかくもう無駄な悲壮感でいっぱいです。
更に深くなる暗闇、というより真っ暗。見えるのは車のライトがあたったところだけ。日本ではお目にかかれない光景の中、一向にスピードを落とさない中古カローラ。荷物と一緒の狭い座席。緊張感に加えて迫りくる尿意。事態は最悪の方向へ向かおうとしています。
ロビンソンという名の楽園登場
突然、車が止まりました。ヘッドライトの中に浮かび上がる小銃を構えた浅黒い男たち。ゲリラか。しかも銃かよ、あの格闘シュミレーションも無駄だったか(いや最初から無理があるだろう)。「終わった、人生天国から地獄だわ」と思った瞬間。文字通り天国の扉が開きました。
「ウェ〜ルカム」満面の笑みとともに現れたのはヨーロッパ産のイケメン。リゾートのマネージャーです。銃を手にした男たちは、ゲリラではなくゲストを守ってくれるセキュリティスタッフだったのです。ここが目的地、今日から数日を過ごすドイツ系資本のリゾートクラブ「ロビンソンクラブ」です。
あのころリゾートクラブといえば
中高年の方なら地中海クラブという名に聞き覚えがあるはず。今のクラブメッドですね。地中海クラブでリゾートの楽しさを知ったという人も少なくないです。地中海クラブはフランス資本でしたが、ロビンソンクラブはドイツ資本。どちらもアメリカ資本のリゾートほど大規模ではなく、施設的にはこじんまりとしています。その分、きめ細やかというか。スタッフとゲストの交流も多くいいところでしたね。
クラブメッドは2012年に中国資本に買収されてしまいました。ホスピタリティに関しては今でもフランス流を継承しているのでしょうか。気になるところですね。さて、ロビンソンクラブですがこちらは現在のドイツ資本の運営。しかし、残念ながら現在スリランカからは撤退しています。アジア圏ではモルジブとタイで展開しているようです。興味のある方はリンクを貼っておきましたので、参考にしてください。
では、続きはまた後日。よろしくです。