おいしいベトナムは横浜あたりにある

2022年5月6日

シンチャオ!
突然ですが「フォー」はお好きですか? 

牛や鶏の出汁をベースとした透明であっさりしたスープに米麺を入れた所謂 (いわゆる)「ライスヌードル」。ベトナム社会主義共和国でよく食べられ ている「アレ」といえばすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。 蕎麦やうどんなどと同じようにファストフード感覚で食べる方も多く、たぶ ん日本で一番食べられているベトナム料理です。 

では、フォーを食べたいと思ったらどうします? 

ベトナム料理店やフォー専門店へ行きますよね。それが普通ですし私も正し い答えだと思います。ただ、そういったお店は、どうしても日本人向けに少 しアレンジされていたり、見栄えをよくするためちょっと盛ってみたり、は たまたよい食材を使ってみたりと、どことなくご馳走よりになりがちです。 もちろん悪いとはいいません。ただ、現地の屋台や雑多な食堂で食べたよう なそれとはやはり違うのです。 そこで、今回は「現地の屋台や雑多な食堂で食べたようなそれ」に限りなく 近いお店をご紹介したいと思います。 

ベトナミー イン the 多国籍団地??? 

さて、向かった先は「いちょう団地」 えっ、どこにあるのかって?そりゃあそうです、いきなり団地名だけ言われ ても公団ウォーカーの方でも無い限り普通は知らないと思います。 それでは改めてご説明を。、神奈川県横浜市泉区上飯田町、横浜市と大和市 にまたがる(境川を挟み)神奈川県最大の公営住宅「いちょう団地」。この 団地、なんと10か国以上の国籍の人々やその家族が住んでおり、全体の約 2割が外国籍の方と、まさに多国籍タウン。団地の案内表記だって5ヵ国 6ヵ国表記は当たり前の世界なのです。 

日本に一番近いベトナム。
その名もタンハー。 

団地内や周辺にはアジア料理店が点在していますが、その中でもトップクラ スといっていいのが目指すお店「タンハー」です。外見は掘っ立て小屋のよ うな感じで、、一見するとここがお店だとは分からない佇まい。 立地を含めてとてもじゃないがフラッと立ち寄れるお店ではありません。 意を決して扉を開けると飛び込んでくるのはベトナム食材が豊富に並ぶスー パーマーケット!(雑貨店?)そこかしこにベトナム食材や雑貨が並べら れ、一瞬ここが日本だと忘れてしまいそうに…。 中には巨大なテーブルが無造作に置かれており、そこが食事スペース(食 堂)なのです。店内には現地の言葉が飛び交い、まさしくここはパスポート のいらないベトナム。 そんな異国情緒たっぷりの店内は、見ているだけでも楽しいのです。 

オーダーは写真と勘で後はその場のノリ
それもきままな旅気分。 

基本的にベトナム人がベトナム人に対して商売してるお店なので、日本のお 店のようなサービスは求めても叶いません。というか、そもそも日本語メ ニューがありません…(今はあるかも知れませんが…) ただ写真があったりお店の方やその場に居るお客さん(?)がいろいろ教え てくれたりするので、その雰囲気が嫌いで無ければ、流れにまかせるのも旅 の楽しみの1つではないでしょうか。 

気取らず、愉しく。
ビールも安いベトナム庶民の味。 

さて、味についてあれこれいうのは面白くないし無粋なので一切省きます。 ただいえることは日本のベトナム料理店などで食べるアレンジされた味とは 違い、限りなく「ベトナムの雑多な食堂や屋台で食べた味」に近いの一言で す。 メニューはとても豊富で、冒頭に述べたフォーはもちろん、その他の料理や ビールなどアルコール類も豊富(しかもスーパーなので小売価格)。より一 層のベトナム気分を愉しむためにも、出来れば車などでは無く、公共交通機 関を使って行くことをおすすめしたいですね。 さらに、帰りにお土産を買って帰れば海外旅行気分間違いなし(たぶん)。 こんな何でも無いただの団地でベトナム気分に浸ってみる。たまにはそんな 旅もいかがでしょう。 

それではヘン ガップ ライ! 

※シンチャオ(Xin chào) 
おはよう/こんにちは/こんばんはの意味を持つベトナム語。
朝昼晩いつで も使える便利なあいさつ。
※ヘン ガップ ライ(Hen gap lai)
別れ際のあいさつです。日本語のニュアンスとしては
「またね」「またあい ましょう」が近いよう。